関東短期大学

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2013年10月 7日

展示館の作品紹介 コロー<風景><きこりの妻たち>

展示館は関東短期大学の敷地にあり、学園の情操教育及び研究のために学園が所有している絵画、書簡等貴重な資料を展示しています。5回にわたり展示作品をご紹介していますが、今回はその3回目です。



風景

カミーユ・コロー

(写真はクリックで拡大されます)

本学の展示館には現在カミーユ・コローの絵画が3点展示されています。ここではそのうちの2点をご紹介します。

コローは19世紀フランス美術界で最も優れた風景画家のひとりと称されており、その名は誰でも耳にしたことがあるのではないでしょうか。


コローの風景画の特徴は、煙るような銀灰色のヴェールにつつまれ、震えるような微かな光を放っているように感じられる色調にあると言われています。ここに紹介する作品もその特徴があらわれていて、とてもやわらかい印象を受けます。この独特の作風は、一説によると当時誕生したばかりの「写真」にヒントを得たのではないかと推測されています。ピントを少しずらすアウト・フォーカスという手法で写真を撮ると、コローの絵のような雰囲気になるからです。

コローは最後の写実主義の風景画家であり、最初の印象派の風景画家であるとも言われるほど、のちの印象派の代表であるモネやルノワールに大きな影響を与えました。

きこりの妻たち

カミーユ・コロー

(写真はクリックで拡大されます)

 



コローの人柄についてのエピソード

 

1875年にコローが胃がんで78年の生涯を閉じた二日後に行われた葬儀には、喪服を着た3000人もの群集がつめかけ、交通も遮断される騒ぎになったそうです。この葬列に道行く人が誰の葬儀かと尋ね合い、「名前は知らないけれど、善人に違いない」というセリフが聞かれたと言います。

 

コローが多くの人に愛されたのは、その芸術的価値もさりながら、温厚、快活、純真、情にもろく誰にも惜しみなく自己のもてるものを分かち与えるといった聖人にも似た彼の人柄がその理由でした。

 

自身が死の床にありながら、ミレーの訃報を聞き、未亡人にすぐさま弔慰金を送ったり、ほとんど盲人となり窮乏して家主から追い立てをくっていた画家ドーミエの家を買い取って、家主の家賃督促から解放してあげた話は有名です。

 

(『NHKオルセー美術館1 リアリズム・美の革命』より抜粋)

 


このようなやさしい人柄を知って、改めて彼の作品を鑑賞すると、一層こころに残ります。

 


 

ジャン=バティスト・カミーユ・コロー

1796年 裕福な婦人帽専門店の子としてパリに生まれる。

            画家になることに反対され一旦商人になる。

1822年 26歳のとき父の許しを得て画家を志す。

            最初はサロンに入選しながらも画壇ではあまり高く評価されなかった。

1855年 パリ万博でアングルやドラクロワをおさえて最高賞に輝き名声が上がった。

1875年 病のため死去。生涯未婚であった。



参考文献等

『NHKオルセー美術館1 リアリズム・美の革命』 高階秀爾 監修

『西洋絵画作品名辞典』(三省堂)

Wikipedia(ジャン=バティスト・カミーユ・コロー)

19世紀絵画教室(ジャン=バティスト・カミーユ・コロー)